2024年、多言語ウェブサイトの検索エンジン最適化(SEO)における4つの重要ポイント
多言語ウェブサイトを立ち上げる際に取り入れるべき多言語向けの検索エンジン最適化(SEO)要素をいくつかご紹介します。
優れたSEOに貢献する要素は、全体的なユーザー体験も向上させる傾向があります。サイトが上位にランクされるようにすることは、ビジネスと顧客の両方にメリットがあります。
Yoastのような使いやすいツールは、すべてのサイトオーナーにSEOの「秘密」を公開しています。常に最新のSEOベストプラクティスを把握することが、これまで以上に重要になっています。
多言語SEOにおいて、一番最初に押さえておきたい重要ポイントは、ユーザーが自分の居住する地域に対応するサイトを閲覧できるようにすることです。また、重複コンテンツによる悪影響も避けなければいけません。ここで役に立つのが、Googleが公開している多言語SEOのベストプラクティスです。ランキングを向上させるための対策がいくつか紹介されています。
この記事では、アルゴリズムに打ち勝ち、多言語サイトのオーガニック検索流入を増やすために、質の高いコンテンツマーケティング戦略の一環として行える対策をいくつかご紹介します。
多言語SEO:多言語SEOとは?いつ使うべき?
多言語SEOとは、ウェブサイトのさまざまな言語のコンテンツを最適化することで、新しい市場で検索されやすくなり、いろいろな国の人々がオーガニック検索を通じてウェブサイトを見つけることができるようにすることです。
SEO専門家のことばを借りるなら、多言語SEOは海外の各言語ユーザー向けにサイトを最適化することです。
インターネットの大半はアメリカ英語が使用されています。皆さんの中にもアメリカ英語が母国語という方もいらっしゃるかもしれません。実は、英語は、話者の数においては世界で3番目の言語であるに過ぎません。そのため、多言語SEOによってできるだけ多くのユーザーにリーチすることが重要なのです。ターゲットとするユーザーの大半がアメリカに住んでいたとしても、全員が英語を母国語とするわけではありません。
ここで、外国語のGoogle検索の結果はGoogle翻訳で読めるのだから、サイトのコンテンツもGoogle翻訳で読めばいいと考えたとしても理論的には間違いではありません。しかし、多言語サイトに特化したSEO戦略を実行すれば、翻訳コンテンツの品質とSEOのどちらにおいても、はるかに優れた結果を得ることができるのです。
多言語SEO戦略の立案
多言語SEO戦略への取り組みを決意したら、まず、その立案方法から見ていきましょう!ところで、多言語SEO戦略の立案で考慮すべきことは何でしょうか?そもそも、何をどのように国際的デジタルマーケティング戦略に組み入れたらいいのでしょうか?
どのようなSEO戦略であれ、まずはユーザーとその検索習慣を理解することから始める必要があります。ターゲットとする国の検索習慣は、日本とは異なる可能性もあるからです。ターゲットユーザーが話すと思われる言語を考慮し、コンテンツとSEOメタデータをユーザーの言語に翻訳する、異言語対応に特化したソリューションを準備しましょう。
インターネットの使われ方も国によって異なっている可能性があります。そこで、次のことを検討してみましょう。
- SNSの運用、および、オンページSEO向上のためのSNS活用法
- 被リンク、および、多言語市場や海外におけるリンクビルディングの強化
- コンテンツ戦略と検索キーワード:他の地域や言語のユーザーを獲得するために、ローカライズが効果的なコンテンツはあるか?海外ユーザー向けに新しいコンテンツを随時追加できるか?
- ユーザー統計:Googleアナリティクスと位置情報データを使用して、流入が現在どこから来ているのか知り、検索流入の割合を特定し、自社が目指す方向と比較するため
- Eコマース:国際的なウェブストアを運営する場合、異なる市場のニーズに合わせた通貨と商品の検討、および、ローカルSEO戦略のために通貨と商品の最適化を検討
- ドメイン名:日本語のブランド名のままで海外のユーザーに認識されるか、または、言語によってブランド名を変えるか?
- 検索エンジンの検索結果ページ(SERP)は地域によって見え方が違っていないか?検索クエリが、Google検索の異なる言語バージョンでどのように表示されるかをテストする
多言語SEOを向上させる方法
検索エンジンのランキングを最適化できる、5つの重要なステップをご紹介します!
1. 専用URLを使う
多言語サイトにおける頭痛の種のひとつは重複コンテンツです。
すべての重複コンテンツが問題となるわけではありませんが、複数のURL内でコンテンツが重複すると、ランキングの低下やインデックスの削除などの原因となる可能性があります。
重複コンテンツによる弊害を避けるため、Googleのベストプラクティスでは、言語標示コードを含む「専用URL」の使用を推奨しています。
言語標示コードによって、海外の検索エンジンとユーザーはURLのみで言語を識別することができます。例えば、原語のホームページはwww.example.com、フランス語版はwww.example.com/fr/、ドイツ語版はwww.example.com/deといった具合です。
URL内の言語標示コードの配置は、選択するURL構造、特に専用の国別コードトップレベルドメイン(CCTLD)を使用するか、自社サイトのサブドメインを使用するかによって異なります。選択肢は次の3つです:
- トップレベルドメイン(例:www.example.fr)
- サブドメイン(例:www.fr.example.com)
- サブディレクトリ(例:www.example.com/fr/)
しかし、実際には言語標示コードが誤解されることもあります。URLの設定は、サイトのSEO対策における重要ステップですが、他にも必要な要素があります。
それがサブディレクトリとサブドメインです。それぞれ長所と短所がありますが、設定とメンテナンスは簡単です。Weglotの翻訳ソリューションでは、リライトルールを使用して、各言語に固有のサイトURLを作成します。
2. Hreflangタグの設定
前述の言語標示コードの他にも、Googleはhreflangタグを使って、サイトの言語と対象地域を判断しています。
hreflangタグは、メイン言語のページのヘッダーに挿入するか、サイトマップ内に記載して伝達することができます。例えば、カナダのユーザーを対象としたフランス語のページであることを示すhreflangタグは次のようになります:
ページが複数の地域を対象としている場合、複数のhreflang属性を追加することができます。しかし、手順が複雑で時間がかかるため、特に初心者の場合は注意が必要です(ちなみにGoogleのSEO専門家でさえ同じことを指摘しています)。
ウェブサイトにhreflangタグを追加する方法を説明した動画チュートリアルもご覧ください。
Weglotの翻訳ソリューションを使えば、このステップは自動的に行われますので、独自のコードを追加する心配はありません。また、Weglotの便利なHreflangタグチェッカーを使って、すべてが正しく設定されているか確認できます。
3. 1ページに1言語の原則を守る
ウェブページの一部のみを翻訳して他の部分は原語のままにしておきたいのも理解できますが、この原則は大事です。ページに複数の言語が混ざっている可能性のあるケースは、次のような場合です。
- メインコンテンツは翻訳されているが、ナビゲーションのテキストは原語のまま。
- ユーザー生成コンテンツ(フォーラムでの議論やコメントなど)が、さまざまな言語で書かれている。
どちらの場合も、先に説明したhreflangタグを追加することで、ページに指定されている言語と地域を明確にすることができます。
しかし、同じページ上に複数の言語があるとユーザー体験が希薄になる可能性があります。上記の最初のケースでは、ユーザーは主要コンテンツは読めたとしても、他のページの移動に困るかもしれません。2つ目のケースでは、ユーザーが作成したコンテンツが異なる言語で表示されることで、議論から文脈が失われ、読者が混乱したりイライラしてしまう可能性さえあります。
Weglot翻訳ソリューションを使えば、サードパーティ製アプリのコンテンツも含め、すべてのコンテンツが自動的に検出されます。つまり、サイトのコンテンツが100パーセント翻訳されるのです。
4. メタデータを翻訳する
多言語ウェブサイトを制作する際、翻訳されるのはサイトのコンテンツだけではありません。メタデータもまた、ターゲットとする新しい国でのランキングを上げるために重要なテキスト要素です。
メタデータは一語一語翻訳できるような単純なものではありませんが、Weglotを使えば実に簡単に行うことができます。Weglotをサイトに追加すると、自動的にメタデータを検出し、機械翻訳の最初の生成訳が提供されます。それを人手で編集することができるのです。
5. 検索エンジンの進化に対応する
Googleは最近、AIを活用した検索エンジンの変更を展開し、これまで以上にシームレスな体験を提供しています。2023年半ば、Googleは、検索機能により簡単で会話的な洞察を提供するために、生成系AIを使用する検索体験サービス「Search Generative Experience(SGE)」を発表しました。
SGEでは、さらに文脈を追加するために、検索体験に関連すると思われる画像や動画が表示されます。2023年後半には、インドネシア語やスペイン語など、さらに多くの言語に対応するよう拡張され、多言語検索にさらに大きな影響を与えています。
つまり、従来の多言語SEO戦略は今や通用しない可能性があるのです。SGEは、GoogleのE-E-A-T基準(経験、専門性、権威、信頼性)を重視し、ユーザーに可能な限り関連性の高い検索結果を提供します。また、検索結果はハイパーリンクではなく、質問として書かれることの多い検索クエリ(通常、5語以上で構成される、より具体的なロングテールキーワード)に文脈を追加するために、自然な表現になっています。
ロングテールキーワードは、ターゲットユーザーの意図を絞り込みやすいため、特定の質問に具体的に答えるコンテンツは、SGEを通じてより高い可視性を得ることになります。ユーザーにより強く訴えるのは何かを見極めるためにロングテールキーワードを様々なマーケットで試してみるのも一案でしょう。また、どのようなコンテンツが最も役に立つと捉えられているかも絞り込めます。
キーワードを最適化して多言語SEOに対応
多言語SEOのためにできることは、ウェブサイトの長文コンテンツの翻訳やローカライズだけではありません。異なる国でのランキングを上げるには、ターゲットキーワードの一覧を調べ、それぞれに適した翻訳を見つけることも必要です。
単にキーワードをウェブ翻訳ツールにかけるだけでは不十分です。ターゲットとユーザーは、コンテンツを見つけるために別の検索キーワードを使っている可能性もあります。
お客様のメイン言語サイト向けのキーワードが、翻訳サイトでも有効とは限りません。ですから、新たなターゲット市場についても、国際的なSEOキーワード調査を行う必要があるのです。
これは、AhrefsまたはUbersuggestを使って簡単に行うことができます。キーワードエクスプローラーを使って翻訳したキーワードを入力し、ターゲットにしたい国を選択して結果を確認すれば、潜在顧客が検索しそうな事柄がよりイメージしやすくなります。
ターゲットキーワードの一覧に簡単にアクセスできるようにしておきましょう。そうすれば、サイトの翻訳やローカライズを行う際に、キーワードについて調査し、最適化されたキーワード翻訳を使用することができます。
また、ターゲットとする各国のユーザーがそれぞれの国で使用するキーワードをリサーチしておくとよいでしょう。これは、お客様の製品を探すにあたって、ユーザーが既存のキーワードの直訳とは異なる言葉や単語で検索意図を表現している可能性があるからです。
「how to translate website(ウェブサイトの翻訳方法)」というキーワードを例にとります。
米国では検索ボリュームが大きく、多くの流入が見込めることがわかります。
これをフランス語に直訳すると「comment traduire un site web」となります。フランス国内で検索した結果を見ると、
キーワードの上位表示難易度はかなり低く、検索ボリュームも同様に低くなっていました。流入の可能性はそれなりにあります。では、キーワードをさらに単純化した「traduire site web」の場合はどうでしょうか。
キーワードの難易度はかなり低い部類でありながら、検索ボリュームは指数関数的に高くなっています。また、流入の見込みについては基本的に同じですが、世界的な流入数について特にフランス語圏では軒並み高いことが認められます。
該当する地域のSEO対策会社に相談する
ターゲットユーザーのニーズに合わせるにはSEOに精通している現地のSEO対策の専門家に相談するのが一番です。
ユーザーが抱える問題、ユーザーが使う可能性のある検索用語、お客様のキーワード草案の調査意図を把握し、キーワードを適切に修正してくれます。ユーザーにに到達する可能性を最大化するためには、まずこうした専門家に依頼して、キーワード調査をサポートしてもらいましょう。それだけでなく、専門家にお客様の現在のコンテンツを見直してもらい、新市場のニーズに適切に対応する手助けをしてもらうよう依頼することもできるでしょう。
専門的な情報にアクセスできれば、SEO戦略の最適化が容易になり、コンテンツがより高い可視性を獲得できるようになります。さらに、同じく国外からの競合企業がいる場合、現地のSEO対策会社のサポートを受けている方が、有利な立場に立つことができます。
ご存知ですか?:ウェブサイトの読み込みを速くする
多言語SEO(およびSEO全般)対策として比較的簡単に行えることに、ウェブサイトの高速化があります。2018年7月以降、ウェブサイトの読み込み時間が検索エンジンの重要なランキング要因になっています。ウェブサイトの読み込み時間が一部でも遅い(3秒以上)場合、ちょっとした対策をして読み込み時間を早くすることで、ウェブサイトの流入数にすぐさま好影響が現れます。
読み込み時間をスピードアップするために、簡単にできることを以下にご紹介します。
- ページキャッシュを有効にするプラグインのインストール
- ブラウザキャッシュの設定
- CDNをウェブサイトに導入する
- 画像サイズを最適化する(shortpixel vs smush vs imagify)
以上の読み込み速度最適化のほとんどは、性質上、やや技術的なものです。ご安心ください。WordPressを使用したサイトであれば、これらの読み込み速度を最適化できる数多くのプラグインを利用することができるのです。WP Rocketのようなプラグインを使えば、上記の点を含め、Googleの提供するPageSpeed Insightsによって特定されるほとんどの問題を修正することができます。
ウェブサイトのページ表示速度を上げるもうひとつの非常に効果的な対策は、ホスティングプランの確認です。ほとんどのホスティングプランが比較的安価なのは、他の何百、何千ものウェブサイトと1つのサーバーを共有しているからです。そのために速度が遅くなるのです。
結論
多言語サイトを作成する場合、考慮すべき重要なSEO要素がいくつかあります。コンテンツが重複していないか、各ページのターゲット読者を明確にしているかなどを確認する必要があります。
こうした問題に対処すれば、ランキングを上げるだけでなく、全体的なユーザー体験も向上させます。お客様の代わりにWeglotの強力な翻訳ツールが複雑で面倒な作業のほとんどを行います。
この記事では、SEOフレンドリーなサイトを構築するために行うべきことを説明しました。ポイントを下記に簡単にまとめます。
- 専用のURLを使用する。
- Hreflangタグを設定する。
- 1ページに1言語の原則を守る。
- メタデータを翻訳する。
- ウェブサイトの読み込み速度を確認する。
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